ここ数年、
そんな中、書店の本棚をまわりながらなんとなく手にとった本。
「そういうふうにできている」さくらももこ
さくらももこさん自身の妊娠・ 出産時のエピソードがつづられたエッセイです。
終始さくらさん節といいますか(笑)、日常を淡々と、かつ面白おかしく語りつつも、唐突に生命の神秘を感じながら哲学的な妄想にふけるモードに入ったりして。
ほのぼのとした絵柄とは裏腹に、たまに冷静なツッコミを入れたり考えたりするシュールさが「ちびまる子ちゃん」と通じるような感じもあり、楽しく読ませて頂きました。
さくらさんは、最後の章「出発」の中で
もし、世紀末の今、人類に未来がないとしたら、 子供達がこの期に及んでまだ地球に降りてくるであろうか。
神がいるとしたら、 そんな最悪な世の中にこんなに愛らしいものをよこすはずがない、 そう思える程、子供は勇気を与えてくれる。
こんなわけのわからない速さであらゆる事が進んでゆく時代はなか なかない。どうせなら愉快に懸命に生きた方がよい。
と、書かれていました。
このエッセイを書かれたのが1995年頃、あと数年で二十世紀が終わるといった時期です。
私は中学生で、”ノストラダムスの大予言”や”1999年7の月”なんてのも騒がれていたことを覚えています。
「これから先、何が起こるのかわからない」と感じながら書かれてある日常を、当時はまだ中学生だった私が生きて二十一世紀を迎え、出産を経験した後に読んでいる、ということにもなんだか感慨深いものがありました。
◆◇◆◇◆
この本を読みながら、私自身も妊娠から出産までのことを振り返りました。
朝、自分が作ったフレンチトーストを食べて気持ちが悪くなり、
「とうとう私の料理スキルもここまでキたか…」
と絶望したこと。(結局これが悪阻の始まりだった)
お腹の中で炭酸の泡がはじけるような感触があって
「も、もしやこれが胎動というやつ…?」
と思ったこと。(その後すぐに、グンニ〜とかドゥルンドゥルンという感触に変わり、数ヶ月を過ごす/笑)
予定日の1週間前、夜中に破水してからの入院→陣痛促進剤打って出産という流れが、母が私を産んだ時と同じだったらしく、なんだか運命的だなーと思ったこと。
そしてなんといっても、出産を終えてからの入院中の食事が本っっっ当に豪華で美味しかったんですよね。
感動して撮った写真、今まで家族くらいにしか見せる人がいなかったので、約8年越しにここでシェアさせてください(笑)。
朝食のクオリティよ……
あの時はまだ、緊張とかこれからの不安とかがあったのか、 あまり食事が入らなったことがめちゃくちゃ悔やまれます。
今これを出されたら間違いなく完食できる。